情報処理技術者試験は国家試験であり人気の試験だ。中でもITエンジニアの登竜門とされている基本情報技術者試験合格を目指す人も多い。
合格率は34.8%(令和4年度下期)で、独学でも十分狙える試験である。CBT(Computer Based Testing)方式に変更になった令和2年度からの合格率は30~40%台でキープしており、変更前が20%台付近で推移していたことを考えると、受験者にとっては朗報といえる。
しかし2023年4月から基本情報技術者試験(FE)は、科目Aの60問(四肢択一)、・科目B20問(多岐選択式)の新試験で行われ、どちらも1,000点満点中600点以上で試験合格になると発表されていて、何も考えずに勉強して合格できる試験でもない。
独学で合格するために、おすすめの参考書、問題集を紹介したいと思う。
基本情報技術者試験合格のための参考書とは
基本情報技術者試験合格には、科目B対策が重要
試験は科目A、B問題に分かれていて、合格にはどちらも合格基準点(通常6割)以上の得点が必要だ。普通に独学で勉強すれば、科目Aの合格基準点をクリアすることは難しくない。合否を決めるのは科目Bなのである。よって、科目Aの勉強はさっさと終わらせ、科目Bはじっくり勉強するという戦略が必要である。
アルゴリズム、プログラミング分野の勉強が重要
ほとんどの基本情報技術者試験の参考書は、試験全体の基礎的な事項を網羅する参考書(基本書)の位置付けである。よって基本書1冊読んでも科目Bの合格基準点を満足するのは難しい。
基本書では紙面の都合もあり、科目Bのアルゴリズム、プログラミング分野の理解が難しいのが現状である。
よって、科目Aを中心に全般を網羅した参考書(基本書)、科目Bに特化した参考書が必要となってくる。
合格は一発で射止める
と考える人も多いと思う。僕も初めの頃はそういうふうに考えて勉強して何度も落ち続けた。
しかし目標は受験することではなく、合格することである。何回も落ちて再勉強、再受験する方が、費用も時間もはるかに無駄なのである。
という体験談を見て、
という考えを持っているのなら、そのような考え方は捨てた方がよい。
一つの目的に対して、がむしゃらに貪欲に向かう姿勢が重要だと思う。手を抜いて合格するというより、高得点で合格するという意気込みで勉強した方が断然よい。
この試験は4人に1人しか合格しないのだから・・・
基本情報技術者試験おすすめの参考書
おすすめの参考書(基本書)
初学者は、最初に参考書で一通り勉強した後に、問題集をすることになる。
但し、先ほど熱く語った?通り、この基本書だけでは科目Bの問題を解くのは難しい。科目Aの問題はどちらかと言えば暗記問題であるが、科目Bは理解して解くということが必要だからだ。よって、別途科目B対策が必要になってくる。そう考えると、基本書は分かりやすく、時間をかけずにスラスラ読める教材がおすすめだ。
おすすめの参考書は下記の2つだ。どちらも基本書として十分理解しやすい参考書だ。自分の好みで選べば良いと思う。
基本情報技術者の新よくわかる教科書 (技術評論社)
出題可能性が高い項目に的を絞って解説してあり、効率良く合格を目指した教科書。
節のイントロでは、学習内容や理解のキーになるところをイラストイメージによりわかりやすくなるように工夫がされていて、理解がすすむ。
シラバスをひと通り網羅しつつ、過去の出題を分析して“試験に出るところ”に的を絞って取り上げているので、挫折することなく最後まで学習できる。
1か月と言わず、1、2週間で読み終らせるのがポイントだ。
情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者 テキスト&問題集 (翔泳社)
あまり回りくどい説明がイヤだという人は、情報処理教科書 出るとこだけ! 基本情報技術者 テキスト&問題集 (翔泳社)がおすすめである。
要点がスパッと書いてあり、また解説もわかりやすい。非常にコンパクトまとめられていて、また解説も丁寧だ。科目問題に必要な基礎力がつくような構成が良い。
CBT方式についてもしっかり解説してあり、CBT試験に不安な人にも心強い1冊である。
理系出身、PCが得意という人には、こちらがおすすめだと思う。
科目B対策おすすめの参考書
科目Bは、アルゴリズム、プログラミング分野からが16問、セキュリティ分野から4問出題される。しかし、この分野は1、2週間勉強すればできるというような分野ではない。
科目Bで多く出題されるアルゴリズム、プログラミング分野の勉強に多く時間をかけ、理解することが合格のポイントになってくる。
科目B対策の参考書
出るとこだけ!基本情報技術者[科目B] (翔泳社)
新しく改訂された試験体系「科目B」に完全対応した科目Bの対策書である。
問題で使用されるのは、擬似言語である。よってこの言語の理解が重要である。この参考書では、2部構成で第1部で疑似言語、2部では情報セキュリティが記載されていて、まさに科目B攻略のための対策本と言える。
アルゴリズム分野の参考書
うかる! 基本情報技術者 [科目B・アルゴリズム編] (日本経済新聞出版社)
アルゴリズム分野は配点が高く、この理解ができなければ、プログラミング分野の問題も解けない。科目Bの問題の合否を分ける分野だといっても過言ではないと思う。プログラム未経験者にとっては、アルゴリズムが難しく感じられる。この分野は決して生半可な知識では歯が立たない。
この教材は難しい内容をやさしく丁寧に解説していて、データがどのように処理されていくかわかりやすく記述されている。読みやすい対話形式になっていて、意外と簡単に読破できる。これを読めばアルゴリズム分野は理解が深まると思う。
おすすめの問題集
基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集 (技術評論社 )
試験勉強では問題を解くことも重要だが、解説を読んでわからない問題が解けるようになることが一番重要である。よって問題集を選ぶポイントは、解説がわかりやすいか?十分な説明がされているか?が重要ポイントである。
この問題集は、導き方、解き方をていねいに解説してあり、また覚えるポイントも掲載されている。解説を読むだけでも、十分な効果があると思う。
この問題集は4セットの科目A、Bの模擬試験が収録されている。本番と同じ時間で解くことで、新試験に慣れることも重要である。
問題集は、これ1冊でバッチリだと思う。
参考書、問題集を使った勉強の仕方
参考書、問題集選びはバッチリでも、実際に勉強をしなければ実力はつかない。よって以下のことが重要である。
- 基本書は早く読み終えて、過去問を何回も繰り返して知識を定着させる。
- 科目B分野の参考書は、確実に理解しながら読む。
- 過去問、問題集は解き方が重要であるので、解説をじっくり理解できるまで読む。
- 問題集は2度、3度と何回も解いて、わからないところは参考書で確認する。
試験勉強は全力を尽くす
勉強が順調に進めば、つい手を抜いて油断しがちである。しかし試験で合格と不合格は紙一重である。
獅子は兎を狩るのにも全力を尽くす
と言われている。
参考書、過去問、問題集を1回しただけで満足せず、何度も愚直に解いて合格を勝ち取って欲しい。
健闘祈ります。