宅建試験は、資格試験の中でも人気の試験です。また宅地建物取引業者(宅建業者)で働くには、非常に大きな武器となります。
宅建試験が人気の理由
宅地建物取引士がいないと宅建業者は困る
宅建業者は事務所ごとに、5人に1人以上の割合で専任の宅地建物取引士(宅建士)の設置義務が法律で定められています。もし専任の宅建士が退職した場合は、2週間以内に補充等必要な措置をする必要があります。
また不動産取引に欠かせない、宅建業法第35条に定める重要事項の説明、重要事項説明書への記名押印及び同第37条に定める書面(契約書等)への記名押印は、宅建士のみができる独占業務です。
つまり、宅建業者は宅建士がいなければ成り立ちません。その宅建士になるには、必ず宅建試験に合格している必要があります。
不動産関係に必要な知識
また不動産関係の企業以外でも、不動産運用をする企業、不動産を担保に融資を行う銀行でも役に立つ必要な知識で、毎年約20万人が受験する人気の試験です。
宅建試験の内容
受験資格
誰でも受験できます。これまでの、最年少合格記録は12歳、最年長合格記録は90歳
試験の方法
50問・四肢択一式による筆記試験
登録講習修了者は45問
試験地
住んでいる試験地(都道府県)での受験
試験日
10月の第3日曜日で午後1時~午後3時(2時間)
登録講習修了者は、午後1時10分~午後3時(1時間50分)
登録講習修了者とは
宅地建物取引業に従事している人が所持している従業者証明書を持っている人が対象で、登録講習機関が行う講習を修了し、その修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験を受けようとする人のことを言います。
大まかに言えば、不動産業で働いている人が、資格スクールでお金を払って通信講習の受講とスクーリング講習(10時間)を受けた後、終了試験に合格し5問免除してもらえる権利を持っている人です。
この権利は修了試験に合格した日から3年以内という期限があります。
合否基準
合否基準は毎回変動しますが、過去10年間は50問中31~37点です。
登録講習修了者は45問中26~32点
15%~17%台の合格率になっています。
試験内容
1.土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
2.土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
3.土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
4.宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
5.宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
6.宅地及び建物の価格の評定に関すること。
7.宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
となっています。
上記の試験内容は、4つの分野に分けられ、試験の出題数は50問中
- 宅地建物取引業法(宅建業法)及び同法の関係法令・・・上記7が約20問
- 権利関係・・・上記2が約14問
- 法令上の制限・・・上記3が約8問
- 税その他・・・上記1、4、5、6が約8問
となります。
宅建業法
宅建業法は、宅建業者、宅建士が守るべきことを記載した法律です。
宅建試験はこの宅建業法(第16条の2)の規定に基づき実施されています。
この宅建試験では宅建業法からの出題数が非常に多く、また宅建士として働くには欠かせない法律ですので確実に勉強することが必要です。
数字等が問われることが多く暗記が必要になってきますが、初めての方でも理解しやすい内容です。
権利関係
この分野は民法、借地借家法、不動産登記法、建物区分所有法の法律から成り立っています。このうち、民法から10問出題されます。暗記のみでは解けない問題で理解していないと解けません。
ど忘れで解けないということがないので、コツコツ勉強した人、過去に民法を勉強したことがある人は有利です。
法令上の制限
暗記する項目、数字が多く暗記力勝負です。しかし、覚えていれば確実に解ける問題です。試験直前まで宅建業法と同様暗記勝負です。試験直前には暗記した内容を再確認することが大切になります。
税その他
税は固定資産税、不動産取得税、所得税、印紙税、登録免許税、贈与税などから2問出題されます。
その他は、住宅金融支援機構、不当景品類及び不当表示防止法、土地、建物、統計から各1問程度出題されます。
出題範囲が広いので、深く勉強するより過去に出た問題を中心に広く浅く勉強して点に結び付けることが重要です。
合格するまでの勉強時間
一般に200~300時間と言われていますが、その大半は民法の時間に費やすことになると思います。民法の学習経験者なら150時間だと思います。
試験が10月ですので、5月ゴールデンウイーク明けごろからスタートするのが良いと思います。
