マンション管理士試験と管理業務主任者試験のダブル受験を考える

ツインタワーマンション管理士
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マンション管理士試験管理業務主任者試験は試験内容が似ていて試験日が近い。
両方の試験を同じ年に受験(ダブル受験)しようと考えている人も多くいる。

このダブル受験について考えてみたいと思う。

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ダブル受験する理由

マンション管理士試験と管理業務主任者試験のダブル受験は、2つの理由から多くの人が考えている。

試験内容が重複している箇所が多い

マンション管理士は専門知識をもって、マンションの管理に関して管理組合等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う専門家である。

一方、管理業務主任者はマンション管理会社に勤務し、管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務確認、報告を行うマンション管理のマネージメント業務を行う。

マンション管理士と管理業務主任者の業務内容は異なるが、両者とも平成12年に成立した『マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)』に基づいて誕生した国家資格で、試験内容が重複している箇所が多い。

そのため、同時に平行して両方の試験勉強が可能であり、効率良く勉強ができるのだ。

どちらの試験も四肢択一式のマークシートによる50問(免除者は45問)の筆記試験で、試験方法も同じである。

マンション管理士試験内容

試験内容
1 マンションの管理に関する法令及び実務に関すること
2 管理組合の運営の円滑化に関すること
3 マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること
4 マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること

管理業務主任者試験内容

試験内容
1 管理事務の委託契約に関すること
2 管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること
3 建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること
4 マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること
5 前各号に掲げるもののほか、管理事務の実施に関すること

両方の試験日が近い

マンション管理士試験日は例年11月の最終日曜日であり、管理業務主任者試験日は例年12月の第1日曜日で、1週間しか違わない。

試験日が近いので試験本番の照準を定めやすい。また試験日が重ならないので、日程的にダブル受験が可能なのだ。

ダブル受験の落とし穴

倒壊

2つの試験はダブル受験しやすい環境にあるが、落とし穴もある。

ダブル受験をしても、ダブル合格には結びつかないことが多い。

あわよくば2つ、最低でも1つの試験は合格するだろうと思っていても、全滅ということにもなりかねないのだ。

マンション管理士試験の合格率が低い

管理業務主任者試験の過去10年間(平成20年~29年)の合格率は、20.10%~23.80%である。

一方でマンション管理士試験の過去10年間(平成20年~29年)の合格率は、7.60%~9.30%と、合格率は10%未満である。この低い合格率の中にはダブル受験者だけでなく、マンション管理士試験のみに絞って受験した人も含まれている。

この合格率の数字の低さを冷静に考えてみると、ダブル受験でダブル合格する可能性は低いのが事実である。

管理業務主任者試験で実力を発揮するのが困難

2つの試験地は、それぞれ

  • マンション管理士試験・・・札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市、那覇市並びにこれら周辺地域
  • 管理業務主任者試験・・・ 北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県、沖縄県

である。

つまりどちらの試験地も同じような地域で行われ、全国で8地域のみしかないのである。試験地から遠く離れている人は、2週連続で朝早く自宅から試験会場へ赴くことになる。

管理業務主任者試験では、当日の長距離移動の疲労と先週のマンション管理士試験の疲労とが相まって実力が発揮できないことがあるのだ。

ダブル受験の心構え

マンション管理士試験本番での心構え

ダブル受験ではマンション管理士試験を最初に受験することになる。

マンション管理士試験では、勉強していない難問、奇問が数問含まれていることがある。

試験問題を見た途端、

この試験がダメでも、管理業務主任者試験で頑張ればイイヤ

と、試験を諦めてはダメだ。

ダブル受験だからと甘えていれば、今まで両方を勉強してきた意味がなくなってしまうのだ。

試験時間中は合格を信じて、真摯に試験に向き合う姿勢が大切である。

管理業務主任者試験本番の心構え

マンション管理士試験受験の1週間後、管理業務主任者試験がある。

マンション管理試験後、早々と解答速報やボーダーラインの予想情報がネットで飛び交うことになる。

受けた試験の合否が気になるが、頭を切り替えて全力で管理業務主任者試験に取り組むことが重要である。

管理業務主任者試験が合格すれば、もし次回マンション管理試験を受けることになっても、ダブル受験する必要が無く、また5問の免除申請制度を利用できるので、ぐっと今より合格の可能性が引き寄せられるのだ。

 

マンション管理士試験と管理業務主任者試験はダブル受験がしやすい。しかしダブル受験がダブル合格につながるとは限らない。むしろダブル受験が中途半端になってしまい、どちらも不合格という可能性もある。

マンション管理試験と管理業務主任者試験のダブル受験をするのなら、どちらの試験とも全力で試験に臨み、ダブル合格を目指す心意気で挑戦する必要がある。