マンション管理士と管理業務主任者の違いは何?

比較マンション管理士
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マンション管理士管理業務主任者は、『マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)』に基づいて誕生した国家資格であり、この資格を取得するには試験に合格する必要がある。

両者とも試験内容が重複している箇所が多数あり、試験日も近い。だからマンション管理士試験と管理業務主任者試験を同じ年に受験(ダブル受験)する人も多い。

マンション管理士と管理業務主任者は何が違うのか考えてみたいと思う。

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マンション管理士と管理業務主任者の比較

マンション管理士の業務と管理業主任者の業務

マンション管理士と管理業務主任者は、平成12年に成立した『マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)』に基づいて誕生した国家資格である。

両者の業務を理解するためには、マンション管理組合のことを知っておく必要がある。

マンション管理組合とは

通常購入する『マンション』は、一棟のマンションを一戸ごとに分割した『分譲マンション』である。この分譲マンションを所有している人を区分所有者という。

区分所有者は、各住戸部分は単独占有できる一方で、マンションの建物の躯体(建築構造を支える骨組み)、外壁、エントランス、開放廊下、敷地および附属施設のなどは、区分所有者が共同で管理をすることになる。
この共同で管理をするために、区分所有者全員で構成されるのが管理組合である。

管理組合は、マンションの所有権、権利関係とともに、『建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)』で定められていて、区分所有者全員が組合員となる。

マンション管理組合の業務

マンション管理組合は執行機関として、組合員の中から理事長をはじめ理事数名と監事を総会で選ぶ。

管理組合の業務は下記のように幅広く、また専門性の高いものもある。

第2節 管理組合の業務

(業務)

第32条 管理組合は、建物並びにその敷地及び附属施設の管理のため、次の各号に掲げる業務を行う。

一 管理組合が管理する敷地及び共用部分等(以下本条及び第48条において「組合管理部分」という。)の保安、保全、保守、清掃、消毒及びごみ処理

二 組合管理部分の修繕

三 長期修繕計画の作成又は変更に関する業務及び長期修繕計画書の管理

四 建替え等に係る合意形成に必要となる事項の調査に関する業務

五 適正化法第103条第1項に定める、宅地建物取引業者から交付を受けた設計図書の管理

六 修繕等の履歴情報の整理及び管理等

七 共用部分等に係る火災保険、地震保険その他の損害保険に関する業務八 区分所有者が管理する専用使用部分について管理組合が行うことが適当であると認められる管理行為

九 敷地及び共用部分等の変更及び運営

十 修繕積立金の運用

十一 官公署、町内会等との渉外業務

十二 マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務

十三 広報及び連絡業務

十四 管理組合の消滅時における残余財産の清算

十五 その他建物並びにその敷地及び附属施設の管理に関する業務

引用国土交通省 標準管理規約(単棟型)及び同コメント (PDF)(最終改正 平成29年8月29日 国住マ第33号)より抜粋

 

管理組合でマンションに関する業務や各種トラブルを解決できれば良いが、専門的な知識が無くて運営が難しいのが現状である。

ここで管理業務主任者とマンション管理士が登場することになる。

管理業務主任者とは

マンション管理組合では、管理業務をマンション管理業者に委託するのが一般的である。

マンション管理業者は事務所ごとに、事務所の規模を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければならないと定められている。(管理業務主任者設置義務)

管理業務主任者は、管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務確認、報告を行う仕事で、マンション管理会社に勤務するのが通常である。

マンション管理士とは

マンション管理士という名称を用いて、マンション管理組合が抱えるあらゆる問題に関して相談に応じて、助言、指導、その他の援助を行う資格である。
場合によっては、委託するマンション管理業者の選定の相談を受け、助言する立場になる。

マンション管理士は、名称独占資格である。

マンション管理士試験と管理業務主任者試験

マンション管理士と管理業務主任者は国家資格であり、取得するには試験に合格する必要がある。

両者の試験について見比べてみたいと思う。

マンション管理士試験と管理業務主任者試験の内容、試験方法

両者の試験内容は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則 の第二条、第六十四条に記載されている。試験内容は重複している箇所が多数あるのでダブル受験に最適である。

一方の試験合格者が所定の手続きをすれば、他方の試験の「マンション管理適正化法・指針」5問が免除される。

マンション管理士の試験内容、試験方法

試験内容
1 マンションの管理に関する法令及び実務に関すること
2 管理組合の運営の円滑化に関すること
3 マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること
4 マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること

試験方法
50問・四肢択一式による筆記試験(免除者は45問)

管理業務主任者の試験内容、試験方法

試験内容
1 管理事務の委託契約に関すること
2 管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること
3 建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること
4 マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること
5 前各号に掲げるもののほか、管理事務の実施に関すること

試験方法
50問・四肢択一式による筆記試験(免除者は45問)

マンション管理士試験と管理業務主任者試験の試験日時、試験地

マンション管理士試験日時、試験地

試験日時
例年11月の最終日曜日、午後1時~午後3時の120分
(5問免除者は、午後1時10分~午後3時の110分)

試験地
北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県、沖縄県

管理業務主任者試験日時、試験地

試験日時
例年12月の第1日曜日、午後1時~午後3時の120分
(5問免除者は、午後1時10分~午後3時の110分)

試験地
札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市、那覇市

マンション管理士試験と管理業務主任者試験の合格率

マンション管理士試験も管理業務主任者試験は類似点が多いのだが、合格率には大きな差がある。

過去10年間の合格率はマンション管理士試験で7.6~9.3%、管理業務主任者試験で20.1%~23.8%である。

マンション管理士試験の方が難しいことがわかる。

マンション管理士と管理業務主任者の違いのまとめ

マンション管理士はマンション管理士という名称を用いて、マンション管理組合が直面する問題に対してコンサルタントを行う、いわば独立開業型の資格である。

一方で管理業務主任者はマンション管理業者に勤務し、管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務確認、報告を行う仕事に就く資格である。

 

どちらの資格も試験に合格することが必要であるが、両者とも『マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)』に基づいて誕生した国家資格であり、試験内容が重複している箇所が多い。
どちらかの試験合格を目指している人は、機会があればもう一方の試験も受験することを考えても良いと思う。