社会保険労務士(社労士)試験の受験経験から、おすすめの参考書、問題集を紹介しようと思う。
社労士試験は大変人気がある資格試験だ。
この試験は合格率が10%未満と難易度が高く、合格を目指すには教材選びも重要な要素である。
社労士の勉強には参考書、問題集選びが重要
社労士試験の勉強時間は800時間とも1000時間とも言われている。それだけ多くの勉強時間をかけるのだから、参考書、問題集は慎重に選んだ方がよい。
社労士試験は法改正が毎年あるので、必ず受験年度対応の教材で勉強することが重要である。
また教材出版後に法改正があった場合に、参考書、問題集の更新が必要となる。
よって出版社からのサポートがの有無が重要である。最近は出版社ホームページで法改正情報として掲載されることが多い。
また内容に誤りがあった場合、正誤表も掲載されていることもある。
ときどき出版社ホームページで確認することが重要だ。
おすすめの参考書
おすすめの基本書
参考書の中でも必ず必要となるのが、基本書と呼ばれる本だ。この基本書をベースに社労士の勉強をすすめていくことになる。
みんなが欲しかった! 社労士の教科書 2023年度(TAC出版)
資格の学校TACが独学者、初学者専用に開発した基本書。
今年も育児・介護休業法などで多くの法改正事項があるがしっかり対応している。
巻頭に社労士試験のイメージが理解できるようにスタートアップ講義があり、また各科目の冒頭には全体像がざっくりつかめるオリエンテーションがある。
そのため全く知識のない人でもストレスなく、勉強ができるように工夫がされている。
フルカラーで大変読みやすい。
他の参考書と比較してわかりやすのが最大の特徴、初学者におすすめの一冊。
2023年版 ユーキャンの社労士 速習レッスン( U-CAN)
必要な知識をわかりやすく解説してある。さすがユーキャン社労士通信講座の講師陣のノウハウが活かされていると思わず納得させられる一冊。
ページは2色刷りで、目にやさしく読みやすい。
巻頭に法律の基礎知識が記載してあり、法律知識が全くない人でも学習できるような構成になっている。
本は1000ページを超えるが、労働科目、社会保険科目、一般常識科目と3冊に分離できるようになっていて、持ち運びが楽で、場所を問わず学習できる。
おすすめの横断本
社労士試験勉強をしていると科目間で同じ共通項目、同じようで違う項目がある。そのため試験勉強を進めていると、間違って覚えてしまったり、知識が混乱していることがある。
しかし本人はその間違いに気が付かずに勉強をしているので厄介だ。
そのためある程度勉強が進むと、科目間での横断学習をして知識を整理することが大切である。
みんなが欲しかった! 社労士全科目横断総まとめ(TAC出版)
社労士試験で必要な重要事項が科目横断、科目別に一気に確認できるオールカラーの要点整理本である。本は小型版で持ち運びに便利で、隙間時間に気軽に読むことができる。
各科目の混乱する知識を整理できる要点整理本。フルカラーで視覚的にもパッと理解できるような構成になっている。
横断学習をすることで、違う角度から要点を整理できるので、あいまいな知識をスッキリさせてくれるおすすめの一冊。
おすすめの法改正、白書対策
社労士試験では、法改正の問題が出題される可能性が高い。社労士試験問題で適用される法令等は試験年度の4月中旬施行(受験案内に記載される)までである。
また一般常識では厚生労働白書、労働経済白書、労働統計資料から出題される傾向がある。
しかしながら基本書は出版時期の関係上、法改正、白書などを完全には対応できでいないのが現実だ。
社労士試験では、択一式、選択式の総得点だけクリアしても、各科目の合格基準点をクリアしなければ合格はできない。 そのため法改正、白書、労働統計の部分が出題されても、最低合格基準点はクリアできるように勉強しておく必要があるのだ。
法改正、白書対策関連の本は大抵6月以降に出版されるので、おすすめの本を紹介できないが、6月以降必ず入手して勉強する必要がある。
おすすめの過去問
社労士試験では過去問で繰り返し勉強することが大切である。
過去問を使って勉強すると科目ごとによく出題される項目がわかってくる。
基本書だけでは頭に残らないが、過去問を併用して勉強することで、試験問題を意識するので記憶に残る。 また過去問で勉強して解答の解説を読むと、類似問題も解ける知識が増えるのだ。
僕はひたすら
基本書⇒過去問⇒基本書⇒過去問⇒基本書⇒過去問
と勉強した。
よくわかる社労士 合格するための過去10年本試験問題集(TAC出版)
10年分の過去問を収載している。シリーズ4分冊になっている。
(1) 労働基準法・労働安全衛生法・労災保険法
(2) 雇用保険法・労働保険料徴収法・労務管理その他の労働に関する一般常識
(3) 健康保険法・社会保険に関する一般常識
(4) 国民年金法・厚生年金保険法
ページ構成が見開きで左が問題、右が解答と解説になっているので、答え合わせがしやすいので使いやすい。
一問一答形式の〇×形式になっているので、隙間時間でも活用できる。
また試験問題の中には、組合せ問題や正解の個数を選ぶようなものもあるが、一問一答形式で個々に〇か×が判別する勉強をするので、このような問題にも対応できるのが特徴である。
項目別になっているので、自分の弱いところを徹底的に勉強することができる。
おすすめの選択式問題集
選択式問題は問題数が各科目5問と少ないので、勉強していない項目やうろ覚えの項目が出題されたら合格基準点を満足できない可能性が高い。
それを回避するためにも、選択式問題集での勉強が必要となってくる。
解いて覚える! 社労士 選択式トレーニング問題集(大原出版)
資格の大原の選択式問題集である。
この問題集は5巻シリーズで構成されている。
1.労働に関する一般常識
2.労働基準法・労働安全衛生法
3.労働者災害補償保険法・雇用保険法
4.健康保険法・国民年金法
5.厚生年金保険法・ 社会保険に関する一般常識
の構成となっている。
豊富な問題数で、社労士試験で出題される重要論点を網羅している。択一式試験の重要論点も、「択一のカギ」として掲載されていて択一式試験対策にも役立つ。
最新の法改正箇所は、「法改正」アイコンが付いてわかりやすい。
左ページに問題、右ページに解答の見開き構成で、A5サイズで持ち運びが楽なのがよい。選択肢に惑わされないように確実に知識を定着するためには、何度も繰り返し勉強することが大切だ。
おすすめの予想問題集(模擬試験)
法改正は毎年あり、また毎年厚生労働省が毎年発行する労働経済、厚生労働白書、労働経済白書からも出題されるので、過去問の勉強ではこの箇所はカバーできない。
よって予想問題集で試験年度専用の勉強をする必要がある。
本試験出題基準日(試験年度の4月)までの法改正まできちんと対応している予想問題集は、模擬試験、模試という名称で4月以降発売される。
正解率にこだわることより、本試験と同じ時間配分ですることに重点を置くのが良い。
なぜなら社労士試験は長丁場であり集中力の持続しなければ、ケアレスミスにつながるからである。
おすすめの参考書、問題集で合格を目指せ
社労士試験は選択式、択一式試験の2種類があり、各科目は合格基準点をクリアしなければ合格は叶わない。非常にタフな試験である。
社労士試験の参考書を一度読んだ程度では、ほとんど理解できない。何度も参考書、問題集を繰り返しながら、少しずつ理解しながら勉強を進めていかなければならない。
勉強を始めて数か月は理解できず苦しいかもしれないが、愚直に何回も繰り返し勉強していれば、次第に知識が増えていくのが実感できるようになってくる。
社会人なら勉強する時間を捻出するには限りがあると思うが、うまく隙間時間を利用してぜひ合格を勝ち取って欲しいと思う。